ビザと相続についての気を付けたい事配偶者居住権の消滅について2

2019.12.17

配偶者居住権の消滅事例の6項目について、以下に簡単に述べておきます。

配偶者居住権の消滅事由の一つ目は、存続期間の満了です。
配偶者居住権の存続期間は、特に定めのない場合は、配偶者の終身の期間となります。
但し、遺産分割協議や遺産分割審判において別段の定めをした場合は、その定められた期間となります(改正第1030条但し書き)。また、存続期間を定めた場合は、その延長や更新をすることはできません。

消滅事由の二つ目は、居住建物の所有者による消滅請求です。
これは、配偶者が、用法順守義務・善管注意義務(改正第1032条1項)、あるいは無断での増改築・第三者の使用収益禁止(改正第1032条3項)に違反した場合に、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正を勧告し、それがなされない場合に、配偶者に対する意思表示で、配偶者居住権を消滅させることができるというものです。
なお、居住建物が共有物である場合は、消滅請求は保存行為(第252条但し書き)と考えられることから、各共有者が単独で行使をすることができるという認識になります。

消滅事由の三つ目は、配偶者の死亡です。
これは、配偶者居住権が一身専属権であることから、当然の理由となります。

消滅事由の四つ目は、居住建物の全滅失等です。
居住建物の全滅失等により、配偶者が使用・収益をすることができない場合は、配偶者居住権も消滅します(改正第1036条、第616条2項)。

消滅事由の五つ目は、居住建物が配偶者の財産になった場合です。
これは、法律的には、「混同」による消滅となります(第520条)。
但し、他に共同所有者がいる場合は、配偶者居住権は消滅しません(改正第1028条2項)。これは、居住建物が共有物である場合、配偶者が建物共有者から不当利得返還請求による対価の支払いの必要性、共有物分割請求をされる可能性、共有物の管理方法が定められた場合に明渡請求をされる可能性があるので、配偶者居住権を存続させるものとされています。

消滅事由の六つ目は、合意、権利放棄の場合です。
配偶者居住権は債権ですので、合意(改正第1036条、第613条3項)、権利放棄(第519条)によって消滅します。

なお、配偶者居住権が消滅した場合、配偶者は、居住建物の返還義務を負います(改正第1035条1項)。この義務は、配偶者が死亡した場合は、その相続人が負います。

服部俊明行政書士事務所

         

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