相続についての気を付けたい事生前対策としての「デジタル資産」管理の重要性
近年、社会のデジタル化が急速に進み、私たちの財産の形も大きく変化しています。従来の預貯金や不動産に加え、インターネット上に存在する「デジタル資産」が新たな相続・生前対策の対象として注目されています。
💻 デジタル資産とは?
「デジタル資産」とは、インターネットや電子機器上に存在する財産的価値を持つ情報や権利を指します。具体的には以下のようなものが含まれます:
- オンライン銀行口座や証券口座(株式・投資信託など)
- 暗号資産(仮想通貨)
- 有料会員サービスや電子マネー残高
- SNSアカウントやクラウドストレージ
- デジタル写真・動画・著作物などの知的財産
これらは、相続人がその存在を把握しにくく、適切な手続きを行うためには事前の情報整理が不可欠です。
🔐 パスワード管理の課題
スマートフォンやパソコンのロック解除、各種サービスへのログインにはパスワードやIDが必要です。これらが分からない場合、相続人が資産にアクセスできず、手続きが滞るケースが増えています。
実際、暗号資産の相続においては、秘密鍵やウォレット情報が不明なまま資産が失われる事例も報告されています。こうした事態を防ぐためにも、生前に以下のような対策を講じることが重要です。
✅ 生前にできるデジタル資産対策
- 資産の一覧化:保有しているデジタル資産をリスト化し、種類・サービス名・残高・ログイン情報などを整理
- 保管方法の検討:紙媒体での記録、信頼できるクラウドサービスの利用、専門家への預託など
- 遺言書への記載:必要に応じて、遺言書にデジタル資産の取り扱いを明記(※法的効力を持たせるには公正証書遺言が望ましい)
- 信頼できる人への共有:家族や信頼できる第三者に、資産の存在と管理方法を伝えておく
⚖ 法的留意点
現行法では、デジタル資産も「相続財産」として扱われます(民法第896条)。ただし、契約上の譲渡制限やプライバシー保護の観点から、第三者によるアクセスが制限される場合もあります。各サービスの利用規約や法令(例えば、個人情報保護法)を確認し、適切な対応を検討することが求められます。
俊明さんの事務所では、こうしたデジタル資産に関する生前対策や相続手続きについて、丁寧かつ確実なサポートを提供しています。ご自身やご家族の将来のために、今からできる準備を始めてみませんか。
- ✅ デジタル資産の生前整理チェックリスト
- 1. デジタル資産の種類と所在
- • [ ] オンライン銀行口座(銀行名・支店・口座番号)
- • [ ] 証券口座(証券会社名・口座番号・保有資産)
- • [ ] 暗号資産(取引所名・ウォレット情報・秘密鍵の保管方法)
- • [ ] 電子マネー・ポイント(サービス名・残高)
- • [ ] 有料会員サービス(Amazon、Netflix、電子書籍など)
- • [ ] SNSアカウント(Facebook、Instagram、Xなど)
- • [ ] クラウドストレージ(Google Drive、Dropboxなど)
- • [ ] その他のデジタル資産(ブログ、オンラインショップ、著作物など)
- 2. アクセス情報の整理
- • [ ] 各サービスのログインID・パスワードの一覧を作成
- • [ ] スマートフォン・PCのロック解除方法を記録
- • [ ] パスワード管理方法(紙、アプリ、信頼できる第三者への共有)
- 3. 法的・実務的対策
- • [ ] デジタル資産に関する遺言書の作成検討
- • [ ] エンディングノートへの記載
- • [ ] 相続人への情報共有(信頼できる家族・専門家など)
- • [ ] 利用規約・契約内容の確認(譲渡制限・プライバシー規定)
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